2017年05月16日

10年という歳月

30代後半、いよいよ店が十条と高津区子母口の2店舗だけになり、
おっと、昔話 (笑) 店とはカラオケボックスのこと、
その子母口の店も閉店、
さあどうするという状況の中、
なんとか活路をと踏ん張っていたのが、
カラオケ機材を障がい者や高齢者の施設に持っていき、
利用してもらう音楽ボランティアでした。
その中で、やがてピアノを弾くようになったのも、しつこいくらい書きましたね。

我が北区では、窓口として社協が、
そこには木村さんがいらっしゃって、とても大きな存在だった、
福祉のあり方、ボランティアのあり方を教えてくださったのは、
後にも先にも木村さんしかいないでしょう。
その後、さわうたにおいても、
地域との共存の仕方、音楽家としての立ち位置を、
生意気だった僕を容赦なく叱り、指導してくださった、
だからこそ、こうしてさわうた、草原も10年を迎えられたのだと思います。

北区の隣には荒川区が、
そこにはNPOで障がい者を多く受け入れている、あふネットさんがあり、
代表の川口さんが同い年でもあり、ずいぶん共に活動しました。
今はカラオケの機材は、各区の公共施設には大抵ありますし、
音楽ボランティアの人口も圧倒的に増えた、
けれど僕が盛んにやっていた15年前頃はそうでもなく、
カラオケの機材は重宝がられ、
月に一度は「のど自慢大会」なる障がい者のためのイベントを、
そこには、ヘルパーさんや、数人のボランティアさんが、
ちょっと変わった女性も、
それがこれから話す、手話通訳がお仕事の小原さんです。
ご存知の方もいらっしゃるでしょう、
草原の手話を振り付けた方・・・

「え、知らない」
そうかも知れない、
もうずいぶん前のこと、ですから知り合った当時のことから書いているのです。
長くなって失礼 (笑)

まだ僕がその「のど自慢大会」に行っている頃は、
小原さんとは目で軽く挨拶する程度の関係でした。
向こうも、
「茶髪の色黒の、変なにいちゃんがボランティアで」と思ってたはず (笑)

小原さんは、川口さん同様荒川区で、
手話通訳の仕事プラス、手話サークルのボランティア活動も、
そのつながりで「のど自慢大会」にも顔を出していた、
利用者の中に、小原さんを知っている人が何人もいたのです。
川口さんとしてみれば、心強かったのだと思います。

小原さんと親しくなった時のことは今でもよく覚えています。
草原を作って間もなくのこと、
その頃は、ともかく広めようと、
何しろ「1万人に唄ってもらう」などと大それたことを、
今ではとっても思いつかない (笑)
身の程知らずとはこのこと、
けれどその無謀さが、
「のど自慢大会」が終わって機材を引き上げる前、
会場にあったピアノの蓋を開け、
よく知らない女性、
小原さんの前で草原を唄うという大胆な行動に繋がったのでした。
「僕の作った歌を聴いてください!」

壁際にあるアップライトのピアノ、
下手な歌、下手な伴奏で弾き語りした後の、
小原さんの輝くような顔!
どんなカッコつけた、シャレた歌かと思ったら、
意外にも素朴でストレートな歌、
多分あの頃の僕からは想像つかなかったはず?
あまり言いたくはありませんが、
ボランティアという名のもと、
何か企んで活動している人はごまんといる、
小原さんは、その中の一人くらいにしか、僕のことを見ていなかったでしょう。
「関さん、いい歌ね〜」

それから僕と小原さんは親しくなり、
荒川区の行事にはずいぶんご一緒、
都電を貸し切って歌を唄ったり、桜まつりで、文化祭で、
北区のイベントに手話で参加して頂いたり、
シャンソンライブの手話ゲストで出て頂いたり、
川口さんの経営するグループホーム、おぐのあかりで、
さわうたの出張版を始めたときも、お手伝い頂きました。

そんな小原さんとも、
おぐのあかりでのイベントに間が空いた頃から、会わなくなり、
もう5年以上経つか、
年賀状のやりとりだけだったのですが、
なんと!! 今朝のさわうたにいらっしゃったのです。
「お久しぶりです」
「元気そうですね!」

実は先日、テンテルさんから、小原さんのことを伺いました。
ここでは触れませんが、
人生の大きな節目があったとか、
それでも、
「ようやく、来られました」と小原さん、良かったです。
テンテルさんにとって、
小原さんは草原の手話の先生でもある、
毎回さわうたの終わりに、皆さんの前で教わった手話を、
今日は先生の前で、緊張しながらも (笑) 堂々と披露、
小原さんの笑顔のオッケーをいただきました。
「よく変わらずに」
「今までまっすぐにやっていたわね」とテンテルさんを褒める、
まさに草原の歌詞通りです。
小原さん、振り付けた頃のことを思い出していたかな・・・

やっぱり10年というのは、何かあります。
先週金曜日、僕が呼んだにしても木村さんがカウンター席に久しぶりに座り、
今日は小原さんがお客様とソファー席に座る、
それは、10年という歳月が、
何か僕に確認をしているかのようにです。
「きちんと」
「やってるかい?」

ええ、なんとか。
あの頃はずいぶん汚れてました。
今は少しはきれいになりましたか?
posted by セキシュウ at 20:22| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする