病気の友人のところに遊びに行くのが目的でした。
15日朝7時過ぎの飛行機で向かったのが彼の事務所兼自宅、
彼は、難病と戦いながらヘルパー派遣の会社を経営しています。
着いたのが10時半、それから夕方までベットの横でゆっくりと過ごしました。
人工呼吸器を付けているので声はほとんど出ませんが、
口の動きで大抵のことは理解できますし、微妙なところは指で机に書いたり、
慣れているヘルパーさんやお母様の通訳を介して話をするのです。
実家に仕事を持って帰らなければならないくらい過密スケジュールなのに、
今回の強引な帰省を父からは、「なぜ ?」と疑問が出る程でしたが、
どうしても僕の中に「ある光景」が浮かび、いつとなく押し寄せてくるものですから、
それを取り払うために1泊2日の旅を決行したのでした。
その光景とは、夜、彼がひとりベットで寝ている時、
部屋に水が入り込んできて、下からだんだん溜まってくるという不気味なシーン、
身体の自由が利かないので逃げたくても逃げられないという恐ろしいシーンです。
彼は同級生仲間で作る掲示板を管理していますが、
先月のある日、「聞いたことのないような防災サイレンが鳴り響いている」と書き込みました。
去年辺りからゲリラ豪雨で、各地で被害が起こっています。
土砂崩れに床下床上浸水、それはそれは悲惨なものです。
彼の自宅近くにも避難勧告が出ていました。
ふと彼の姿を想像しました。
それがさっきのシーン、
「どうか無事で・・・」
そして、
「会いに行かなきゃ !」
「助けに行かなきゃ !」
子供みたいに幼稚な話ですが、その時は真剣にそう思ったのです。
数日迷い、遂に飛行機の手配をしました。
悪戯好きの彼は、同級生の話題になった時、突然携帯に手をやりました。
良く動く方の左手で机の上に置いたと思ったら、スッと一突き、
僕の座っている方に携帯を滑らせました。
見たら、その同級生のところに電話をかけているのです。
「またっ ! 」
「いきなり ! 」
しゃべるのは勿論僕、冷や汗かきかきです。
「もしもし」
「●◎ ?」
「関だけど…」
「おぉっ 関 ! どうした ? 」
こういうのが二人もあり、一人は偶然時間が空いていて、わざわざ彼の家まで訪ねてきました。
やれやれ突拍子もないことをと思いながらも、
そういう彼だからこそ、今まで数え切れないほどの旧友達との交流の場を作ってくれたのだろうと感謝、
まるで人と人をくっつける接着剤のような男だと感心、
お勝手でお母様に、「息子さんのおかげでみんなが再会出来て」と微笑んだのでした。
「富士山に行きたい !」
また突然話し始めました。
「5合目までは車で行ける・・・」
そうだねと苦笑いも、彼ならやりかねないだろうとなぜか嬉しくて、
出来たら一緒に行きたいと思いました。
やはり夢は見るためにあるのでしょう。
富士の夢、叶うことを祈ります。
おわり



私もいつも接着剤君のお世話になっています。しかし言い得て妙。。人と人を結ぶ才能ですね。
でもT君とのツーショットにはそんな悪戯があったなんて、びっくり。サプライズな再会で良かったですね。