平成6年である。12年前だ。
12年前を昔でないと言うと、年齢が知れてしまいそうだが。
この町には、十条銀座という商店街がある。駅を降りてすぐ。
立派なアーケードが500m続き、夕方時にもなると買い物客で賑わう。
当時カラオケBOXを数店舗経営してた僕は、この商店街の人通りを見て
新しい店舗をこの町に出すことを決めた。
丁度、頃合いの物件が、商店街中程のビルの2Fにあったのである。
それから、僕は十条という町を始めて知ることになる。
アーケード街から横道に入ると、細い路地が続く。
民家やマンション、古いアパートに小さなスナック。

カラオケBOXを開店した時は、この町を探索がてら、
お店の割引券をポスティング(郵便ポストにチラシを投函する)した。
似たような路地があり、迷子になってしまったことを思い出す。
もっとも、暗かったせいもあるが。
今夜は、路地裏を通って帰ってみよう。
もう迷ったりはしないだろう。