昨夜お客様が言いました。
酒場AMANE、いろいろなお客様が見えますが、このオーダーが入ることは珍しい。
なかなか通なオーダーです。
最近はお酒の飲み方もあれこれ、バリエーションも様々、ズブロッカもメジャーですが、
AMANEではマイナー、ウーロンハイやレモンサワー、生ビール、芋焼酎などが主力です。
ご存じの方も多いでしょうが、ズブロッカはギンギンに冷やして出します。
冷凍庫に入れておきます。
うちも、ほら、このとおり。

昨夜のお客様は、うちの常連さんですが、大抵ひとりで見えます。
それも、忘れた頃に。
AMANE開店して間もない頃、4年半前、「俺、ズブロッカが好きなんだよ」と。
それ以来用意するようになりました。
いらしても、頼まない時もありますが、昨夜は久し振りにオーダーを。
それこそ2、3年ぶりでしょうか。
「おっ、ズブロッカの注文が来た…」
心の中で「しめた」と思いました。
そして、さりげなく出しました。
お客様は、ズブロッカを「あって当然」と思ったか。
それとも
「あったんだ !」と思ったか。
それはわかりません。
少なくとも僕は、「置いておいてよかった」
メニューにないお酒ですから、用意する必要もないのですが、このお客様の為に
冷凍庫の中にずっと眠らせていたのです。
「ああ、うまい」
一気に飲み干しました。
そして
「また、忘れた頃に来るよ」
静まりかえった深夜の街の細い路地に溶けていきました。
また…
いつの日か来ることでしょう。お待ちしています。