2008年04月20日

続々・勝負

自分が「品定めされる」のです。
プレッシャーはありましたが、楽しみでもありました。
幹事さん含め、その日集まるみなさんは、会社経営者です。
「マスター、うちらの集まりは、うるさいのが多いからね」と幹事さん。
よくわかります。
うるさい、というのは、「文句を言う」ということではありません。
また、「大きな顔をする」という意味でもありません。
「俺は、◎●会社の社長だ !」なんて言いながらふんぞり返ってお酒を飲む、
まあ、中にはいるでしょうが、こういう方は特に問題視していません。
注意しなければならないのは、ニコニコしながら、何食わぬ顔をしながら飲んでる方達。
しっかりと動きを見ているのです。
経営者というのは、隅々まで目を配るのを習性としています。
長く会社を経営している方は、それが出来るから会社を維持出来てるのでしょう。
自分の船が、前に進んでいるか。
方向は間違っていないか。
どこか痛んでいないか。
外に対しても内に対しても日々チェックをしています。
ですから、知らず知らずのうちに「モノを見る目」が出来ていて、
今回のパーティーのようなプライベートの遊びの場でも、
自然と「品定め」してしまう方が多いと思います。
もちろん僕も、ちっぽけではありますが店のマスター、経営者です。
経営者同士、「やってやろうじゃないか」と燃えていました。
勝負です。

AMANEの1日1日、一瞬一瞬は、どれを取っても同じ重さ、大切なのには変わりありません。
いらっしゃるお客様には全て同じ気持ちで接しています。特別扱いはしません。
それでも、必ず「波」はあります。「坂」はあります。
そこを上手くやりこなすこと、自分の力を存分に出すことが、「安泰」に繋がるのだと思います。
今回は、「サービスは安心してください」と自分から申し出た分、その面の注目度が高い、
逆に言えば、サービスが行き届けば店の評価はグンと上がるわけです。
「AMANEのマスターはひとりで切り盛りしてすごい」ということになり、
何よりも良い店の宣伝になるのです。
パーティーの成功が、その日だけの成功に終わらず、先々のことまでにも及ぶだろう、
そう考えて、気持ちを高めてみなさんを待っていました。

サービスの善し悪しは、一にも二にもスピードだと思います。
とにかく待たせないこと。
ドリンクは、オーダー後、即出てこないとストレスになります。
アルコール類は特にです。
それには、ただ早く作れる、早く運べるということはもちろんのこと、
誰が、何を、どのくらいのペースで飲むのかを記憶することが必要です。
今回のパーティーで、僕が無謀にも「ひとりでやります」と申し出たのは、
実は、僕にとって有利な条件があったからです。
まず、下見で来られた時に、幹事さん含め何人かの「飲み方」の情報が入手出来た、
言ってみればこちらも「下見」が出来たのです。
さらに、参加されるメンバーに数人知っている方がいるということ。
それは、大変失礼ですが、下見の時のみなさんのおしゃべりの中で聞こえてきたり、
こちらから「◎●不動産の、△▲さんはうちにたまに来ますけど、当日はどうでしょう ?」と
さりげなく聞き出したりしました。
AMANEに来たことがある方はおわかりでしょうが、僕の得意技に、
「一度出した飲み物はたいてい覚えている」というのがあります。
さすがに「さわうた」でいらっしゃるお客様の、コーヒー、砂糖ミルクありなし、
砂糖だけとかミルクだけ、両方使うという細かい所までは覚え切れませんが、
それでもブラックの方はほとんど覚えているつもりです。
ハトリさん、ヨシザキさん、フクダさん、ヤトウゴさん、小原さんもそうですし、木村さん・・・
覚えていれば仕事は楽です。
「◎●さんは、ビールでしたね !」と聞いてしまえば
「おう」、と答えて、それでオーダーを取るのはおしまい。
中には「決めつけられるのがイヤ」という方もいますが、ほとんどの方は
「あ、俺の飲み物覚えてくれていたんだ」と喜んでくれます。
事前に誰が来るかわかっていればわかっているほど、飲み物の提供が早く、スムーズなのです。

こうして僕は、この日のパーティーに集まる約1/3の方の情報を叩き込んで
スタートの1時間半前から店に入り、準備をしていました。
簡単なオードブル、チーズやウインナー、あたりめ、おしんこ、フルーツはこちらで用意、
メインの中華は、始まって1時間経ったあたりで届くように手配をしました。
それも、盛り付けを店内でしてもらうように。
そうすれば温かいままテーブルに載ると思ったからです。
レストランと違い、お皿を置けるスペースがせまいので、食べ具合を見計らって出していきます。
名物の「蒲田屋」さんのおにぎりも並べます。
お酒を飲みながらおにぎり ? と思うかもしれませんが、意外と好評です。
お腹が空くから、ご飯類が欲しいという方が多いんです。
ましてゴルフコンペの後ですから、食が進むでしょう。

開始は6時ですが、早く来られる方もいるだろうと、15分前にはスタンバイ。
5分前、さっそく現れました。
さあ、始まった !
みなさんゴルフを終え一度会社や自宅に戻ってからバラバラに集合とのことです。
まずはおしぼりを出してオーダーを聞いて。
急いで飲み物を持って行きます。
最初の一杯が肝心。ここで待たせたらおしまい。
「おっ、もう来た」と思われるくらいじゃないと。
さらに、今回は飲み放題。空きそうになる前から「おかわり」を勧めます。
出されたグラスの中身を常にチェックして、無くなったと同時に持って行けるようにします。
キッチンの中に入っていても、グラスの空いた音、氷が「カランカラン」という音で
飛び出します。これはビールでは無理ですね。
ですから、なるべく、中には入らないように、中で洗い物などしないようにするのです。
洗い物は、グラスが不足しそうな場合のみ。
予め多目に用意しておけば、この心配もないのです。

午後9時、パーティーを終え、みなさんを送り出した後、幹事さんが僕に近付いてきました。
「よかったよ」
最高の瞬間。
サービス業冥利に尽きます。

残された洗い物の山、テーブルから落ちんとばかりに置かれているグラスや食器を見て、
「さあ、もう一仕事」思った矢先、電話が鳴りました。
つづく
posted by セキシュウ at 09:25| Comment(0) | 飲食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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