ステージでは高校生の軽音楽部が準備を始めていました。
雨は無情、止む気配がありません。
午後になって本格的に降り出すとの予報は、
今日ばかりは当たらなくていいのに当たってしまう、
「これは中止だろうか・・・」
天候次第だったトリを務めるはずの別の高校のブラスバンド部は、
午後1時の時点で早くも中止が決まりアナウンス、
少人数とはいえ、ドラム、ギター、ベース、ボーカルの編成、
「この子たちも・・・」

しかし、予想に反し、準備は進められました。
「やるんですね〜」
ちょっと驚いたように言った僕の言葉を、
横で聞いていた行志堂さんが返します。
「そりゃ」
「この子たちは一生に一度ですから」
一生に一度。
なるほど。
すっかり音楽が日常になり、
ともすれば忘れたいくらいの日もある、
いやでも毎日やってくる僕には、
この子たちが、今日のこの晴れ舞台を飾るという大切さが分からなかった、
しかも高校生、青春の1ページ・・・
「そういえば」
「高校時代の同級生たちも」
「集まれば、バンド話を懐かしそうにしてたっけ」
その頃の僕は音楽とは全く無縁、
ただただバスケに明け暮れていたので、
尚更、この子たちの気持ちになれなかったのでしょうね。

始まりました。
小雨降りしきる中、アップテンポな8ビートが鳴り響く、
ボーカルの子、

うん。
たしかに、今、してる。
1ページ。
本人たちには自覚がないのかも知れません。
過ぎて、
遠く過ぎ去って、気づくもの・・・
その過ぎ去った代表格のオッサンたち (笑)

何やってんのさ!
「いや」
「わたしたちは雨に濡れると」
「風邪引いちゃうから〜 (笑)」
は冗談、
機材が濡れるのを避けて、

テントの中でやることになったのです。
終わりかけていたゲームコーナーを片付け、荷物を移動していただき、
キーボード、マイクなどを運び込み、接続、
前回も思ったのですが、
音響さんは本当に好意的で、よく一人で動かれ、素晴らしい、
こういう、いろんな方が集まるイベントにはうってつけでしょうね。
僕も裏方を頻繁にやるだけに、見習わないと・・・
さて演奏シーンです。
上の写真共々、行志堂さんから頂きました。
助かります!

小島さんのギター、アコーディオンのセキシュウはお馴染み、
この次には行志堂さんがブルースハープで加わり、
僕はキーボードに、
ただし写真はなし、自撮りは無理、
「自撮り棒」があっても同じ、手がふさがってるもん (笑)
小島さんはキーボードも。

行志堂さんといい、小島さんといい、すごいですよね。
キーボードで弾き語り・・・
少なからずAMANEの存在も影響している?
これからも、ぜひ場数を踏んでもらいたいです。
演奏は3曲、
遠く離れたスピーカーの音を確かめながら、
小島さんの歌をサポート、
パイプ椅子を反転させ、傘を差しながらの観客に目をやると、
AMANEのお客様の顔も、
お運びいただきありがとうございます!
ブラスバンド部が辞退したため、
トリは僕たちの後の、ソプラノ歌手さんになりました。
同じテント内のステージ、
平林園子さんの、

一際高い、美声が公園に響きます。
けれどMCで、
「今日まで唄ってない」と、
体調を崩し、声が出なかったそうで、
今日の本番まで必死に治したのでしょう、
それでも少しかすれ気味の高音を、
アカペラでアメージング・グレースを唄いながら懸命にかばう、
そのひたむきさが伝わり、
思わずいつもの癖で、終わって「ブラボー!」と。
いや、本当は「ブラバー!」あるいは「ブラビー!」ですけどね (笑)

真正面に座っていらしたのは、
ファンの方か生徒さんか、
平林さんの「わざわざ雨の中どうも」とお気遣いの言葉に、
大きな拍手、花束も頂いてました。

晴天なら、この広くオープンな会場を多くの人が埋め尽くしたでしょう。
でも雨のこんな1日もまた、美しく記憶に刻まれていくもの・・・

閉会の辞。
シャイな司会が新鮮でした。
スタッフの朗らかさが何よりこのイベントの持ち味でしょうか。
「来年もよろしくお願いします」と最後に。
閉会を待っていたかのように雨は強く降り出しました。
「始めからこれだったら」
「体育館だったな」
アコーディオンを車に積んで走り出したら更に激しく、
「今頃スタッフはびしょ濡れで片付けているのか」
そう思うと、何もしないで帰ったのがちょっと後ろめたい、
「でも立場もあるし・・・」
妙な言い訳を見つけながらアクセルを踏み続けます。
おつかれさまでした。
楽をさせて頂きました。
小島さんからのギャラ分、主催者からのお弁当お茶分、
仕事できたか疑問ですが (笑)
また機会があれば、緑の中の野外コンサート、よろしくお願いします。
posted by セキシュウ at 21:16|
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出張演奏
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